「非マルクス主義的な思想に対して我々の政策はどうあるべきか。社会主義の大義を妨害する明白な反革命分子や破壊者に対しては簡単であり、彼らの言論の自由を奪えばよい。しかし人民の中にある誤った思想は全く別問題である。それらを禁止し、表現の機会を与えないということでよいのだろうか」

- 1893年12月26日~1976年9月9日
- 中国出身
- 政治家、思想家
英文
”What should our policy be towards non-Marxist ideas? As far as unmistakable counter-revolutionaries and saboteurs of the socialist cause are concerned, the matter is easy, we simply deprive them of their freedom of speech. But incorrect ideas among the people are quite a different matter. Will it do to ban such ideas and deny them any opportunity for expression?”
日本語訳
「非マルクス主義的な思想に対して我々の政策はどうあるべきか。社会主義の大義を妨害する明白な反革命分子や破壊者に対しては簡単であり、彼らの言論の自由を奪えばよい。しかし人民の中にある誤った思想は全く別問題である。それらを禁止し、表現の機会を与えないということでよいのだろうか」
解説
この言葉は、毛沢東が人民内部の矛盾と敵対勢力との矛盾を区別する立場を示した発言である。彼は、明確な反革命分子に対しては抑圧的措置を取るべきだとしたが、一般の人民が抱く誤った考えについては、禁止や弾圧ではなく議論と教育によって解決すべきだと主張した。これはのちの「正しい人民内部の矛盾の処理について」(1957年)に結実する思想である。
この背景には、社会主義建設の過程で必然的に多様な意見や誤解が生じるという現実がある。毛沢東は、これを敵対矛盾と同一視して弾圧すれば、人民の支持を失い、党と国家の基盤を弱めると考えた。そのため、人民内部の誤った思想は議論を通じて矯正されるべきものであり、むしろその過程が社会主義の健全な発展を促すと捉えた。
現代的な応用としては、組織や社会における誤解や多様な意見にどう向き合うかという課題に通じる。異なる意見をすぐに排除するのではなく、対話を通じて共通理解を築くことが安定と発展につながる。毛沢東の言葉は、権力による弾圧ではなく、批判と教育を通じた矛盾の解決を重視する姿勢を示しているといえる。
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