「党の内部には、常にさまざまな思想の対立と闘争が生じる。これは党内における、社会に存在する階級間や新旧の矛盾の反映である。もし党内に矛盾がなく、それを解決するための思想闘争もなければ、党の生命は終わりを迎える」

- 1893年12月26日~1976年9月9日
- 中国出身
- 政治家、思想家
英文
”Opposition and struggle between ideas of different kinds constantly occur within the Party; this is a reflection within the Party of contradictions between classes and between the new and the old in society. If there were no contradictions in the Party and no ideological struggles to resolve them, the Party’s life would come to an end.”
日本語訳
「党の内部には、常にさまざまな思想の対立と闘争が生じる。これは党内における、社会に存在する階級間や新旧の矛盾の反映である。もし党内に矛盾がなく、それを解決するための思想闘争もなければ、党の生命は終わりを迎える」
解説
この言葉は、毛沢東が「矛盾論」や「正しい党内の矛盾の処理について」といった論文で述べた思想を端的に示すものである。毛沢東は矛盾の存在こそが社会発展の根本的原動力であると考え、その原理を党の内部にも適用した。党が一枚岩で停滞するのではなく、異なる意見の対立と闘争を通じてこそ前進できるとしたのである。
この発想の背景には、マルクス主義の弁証法に基づく歴史観がある。階級闘争が社会を変革するように、党内の思想対立もまた不可避であり、矛盾を抑圧するのではなく解決する過程にこそ成長があると捉えた。これは一方で党の健全な発展を促す理論であるが、他方では「思想闘争」の名のもとに粛清や権力闘争が正当化される危険性も孕んでいた。
現代的な応用としては、組織や社会において異なる意見を排除せず、対立を建設的に扱うことが革新につながるという教訓が得られる。企業における議論や、民主社会での政策論争なども、矛盾の存在を前提にして解決策を模索することで前進する。毛沢東の言葉は、対立を恐れず、その中から成長を導き出す姿勢の重要性を強調している。
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