「教育を受けた青年が農村に行き、貧農や下層中農によって再教育されることは絶対に必要である。幹部やその他の都市住民は、中学校や高等学校、大学を卒業した自分の息子や娘を農村に送るよう説得されるべきである。我々は動員しよう。全国の農村の同志たちは彼らを歓迎すべきである」

- 1893年12月26日~1976年9月9日
- 中国出身
- 政治家、思想家
英文
”It is absolutely necessary for educated young people to go to the countryside to be re-educated by the poor and lower-middle peasants. Cadres and other city people should be persuaded to send their sons and daughters who have finished junior or senior middle school, college, or university to the countryside. Let us mobilize. Comrades throughout the countryside should welcome them.”
日本語訳
「教育を受けた青年が農村に行き、貧農や下層中農によって再教育されることは絶対に必要である。幹部やその他の都市住民は、中学校や高等学校、大学を卒業した自分の息子や娘を農村に送るよう説得されるべきである。我々は動員しよう。全国の農村の同志たちは彼らを歓迎すべきである」
解説
この言葉は、毛沢東が1968年に発した「上山下郷運動(知識青年上山下郷)」の呼びかけを代表する一節である。文化大革命のさなか、毛沢東は都市の青年を農村へ送り、農民と共に労働することで思想を鍛え直し、知識人のエリート意識や都市偏重の価値観を克服させることを目的とした。
背景には、文化大革命の混乱で都市部の教育機関が停滞し、多くの青年が進路を失ったという事情がある。毛沢東は彼らを農村に送り込むことで、一方では農村労働力を補い、他方では「革命的再教育」を実現しようとした。実際には数百万の若者が農村に送られ、苛酷な労働や生活を経験したが、多くは都市回帰を望み、後に「失われた世代」と呼ばれることになる。
現代的に見ると、この言葉は教育と労働、都市と農村、知識と実践の関係を考える契機となる。理論や知識は現実の社会に根ざしてこそ真価を発揮するが、極端な政策による強制的な移動は世代に深い傷を残した。毛沢東の呼びかけは、理念と現実の緊張関係、そして理想主義が生む影の部分を示す歴史的教訓といえる。
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