「砂漠を除き、人間の住むあらゆる場所には左派・中間派・右派が存在する。このことは一万年後においても変わらないであろう」

毛沢東の名言・格言・警句(画像はイメージです)
毛沢東の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1893年12月26日~1976年9月9日
  • 中国出身
  • 政治家、思想家

英文

”Except in the deserts, at every place of human habitation there is the left, the centre, and the right. This will continue to be so 10,000 years hence.”

日本語訳

「砂漠を除き、人間の住むあらゆる場所には左派・中間派・右派が存在する。このことは一万年後においても変わらないであろう」

解説

この言葉は、毛沢東が社会や政治における多様な立場の存在を必然的なものとして捉えた発言である。左・中・右という区分は、政治的態度や思想のスペクトルを象徴しており、人間社会が矛盾と対立を内包する以上、どの時代・地域においても必ず現れると毛沢東は考えた。ここには、思想の多様性を歴史的必然とみなす認識が示されている。

背景には、中国共産党内部や社会全体における政治的立場の分岐がある。毛沢東は、革命期や社会主義建設の中でも、左派(急進的改革派)、中間派(調停的立場)、右派(保守的勢力)が常に現れることを前提としていた。したがって、これを完全に消し去ることはできず、むしろ矛盾の中で闘争を通じて前進するのが社会の法則だと強調したのである。

現代的に解釈すると、この言葉は社会における政治的多様性と対立の不可避性を示唆している。完全な一枚岩の社会や組織は存在せず、常に異なる意見や利害が生まれる。重要なのは、その対立を抑え込むことではなく、対立を前提にしつつ健全に処理する仕組みを築くことである。毛沢東の言葉は、思想的・政治的分岐が「永遠の法則」であるという洞察を表している。

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