「爆発する前の爆弾は、一定の条件のもとで対立するものが共存する一つの存在である。爆発は、新たな条件である点火が加わったときにのみ起こる。同様の状況は、古い矛盾を解決し、新しいものを生み出すために最終的に公開された闘争という形をとる自然現象すべてに見いだされる」

毛沢東の名言・格言・警句(画像はイメージです)
毛沢東の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1893年12月26日~1976年9月9日
  • 中国出身
  • 政治家、思想家

英文

”Before it explodes, a bomb is a single entity in which opposites coexist in given conditions. The explosion takes place only when a new condition, ignition, is present. An analogous situation arises in all those natural phenomena which finally assume the form of open conflict to resolve old contradictions and produce new things.”

日本語訳

「爆発する前の爆弾は、一定の条件のもとで対立するものが共存する一つの存在である。爆発は、新たな条件である点火が加わったときにのみ起こる。同様の状況は、古い矛盾を解決し、新しいものを生み出すために最終的に公開された闘争という形をとる自然現象すべてに見いだされる」

解説

この言葉は、毛沢東が弁証法的唯物論の観点から矛盾を説明する際に用いた比喩である。爆弾を例にとり、内部に相反する要素が潜在的に存在しても、それだけでは変化は起こらないことを示している。そして「点火」という外的条件が加わることで、潜在していた矛盾が爆発的に表面化し、新しい局面を生み出す。この考え方は毛沢東の「矛盾論」における基本的立場と一致する。

この比喩の背景には、社会や歴史の変革は突発的ではなく、内部矛盾が一定条件のもとで積み重なり、新たな契機によって爆発的に発展するという認識がある。革命もまた同様であり、既存の体制に内在する矛盾が臨界に達し、新しい条件が加わることで一気に転換する、と毛沢東は考えた。

現代においても、この考えは技術革新や社会変化の理解に応用できる。たとえばインターネットの普及は長い技術的蓄積と社会的需要という「矛盾」が存在し、そこに通信インフラやPCの普及といった「点火条件」が揃ったことで爆発的な発展を遂げた。同様に、組織や社会における潜在的対立は、ある契機を得て一気に表面化し、新しい秩序を生み出すことがある。この言葉は、変革は矛盾の解決過程であり、新条件の到来によって初めて顕在化することを示している。

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