「1959年頃までアフリカは植民地支配下にあったことを理解しなければならない。そしてヨーロッパの列強がアフリカを完全に支配することで、常にアフリカを否定的に描き出した――密林、野蛮人、人食い、文明など存在しないと」

マルコム・X(画像はイメージです)
マルコム・X(画像はイメージです)
  • 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 黒人解放運動家、公民権活動家

英文

”You have to realize that up until about 1959, Africa was dominated by the colonial powers. And by the colonial powers of Europe having complete control over Africa, they projected Africa always in a negative light – jungles, savages, cannibals, nothing civilized.”

日本語訳

「1959年頃までアフリカは植民地支配下にあったことを理解しなければならない。そしてヨーロッパの列強がアフリカを完全に支配することで、常にアフリカを否定的に描き出した――密林、野蛮人、人食い、文明など存在しないと」

解説

この言葉は、マルコム・Xが植民地主義とその影響を鋭く批判した発言である。彼は、西洋列強がアフリカを支配した結果、アフリカが世界にどのように描かれたかを問題視した。ヨーロッパ諸国は、支配を正当化するためにアフリカを「未開で劣った地」として宣伝し、人種差別的なイメージを世界に植え付けたのである。

背景には、第二次世界大戦後にアフリカ諸国の独立運動が高まり、1950年代末から次々と独立を果たしていった歴史がある。1959年という区切りは、アフリカが植民地から解放され始めた重要な転換期を指している。マルコム・Xはこの事実を強調し、アメリカの黒人に対しても、自らのルーツであるアフリカを誇りある存在として再評価するよう呼びかけた。

現代においても、この指摘は示唆に富む。メディアや教育が歴史をどのように描くかは、人々のアイデンティティや価値観に大きな影響を与える。アフリカを「貧困や紛争の大陸」として一面的に描くことは、今も残る偏見の再生産につながりかねない。マルコム・Xの言葉は、歴史的文脈を踏まえて偏見を批判し、真の姿を学び直す必要性を訴えている。

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