「ブラジルには一人として目立つ黒人はいない。そこでは黒人は依然として最下層にいる」

マルコム・X(画像はイメージです)
マルコム・X(画像はイメージです)
  • 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 黒人解放運動家、公民権活動家

英文

”Not one black man is prominent in Brazil. The Negroes there are still at the bottom.”

日本語訳

「ブラジルには一人として目立つ黒人はいない。そこでは黒人は依然として最下層にいる」

解説

この言葉は、マルコム・Xが国際的な視野で人種差別を捉えた発言の一つである。彼はアメリカ国内だけでなく、ラテンアメリカやアフリカなどを訪れ、黒人の地位が低く抑えられている現実を観察した。ここではブラジルを例に挙げ、社会的構造として黒人が依然として底辺に置かれていることを批判している。

この背景には、ブラジル社会における「人種民主主義」という神話がある。表面的には人種混交が進み差別がないかのように語られていたが、実際には黒人は政治や経済の中心から排除され、貧困層として位置づけられていた。マルコム・Xはその矛盾を指摘し、差別は国境を超えた普遍的な問題であることを強調したのである。

現代においても、この言葉は依然として意味を持つ。ブラジルでは今日に至るまで、黒人や有色人種が教育や雇用の機会において不利な立場に置かれることが多い。マルコム・Xの指摘は、国際社会が「見えない差別」や「構造的格差」に目を向ける必要性を示している。彼の視点は、人種差別は一国の問題にとどまらず、世界規模での課題であることを鋭く訴えている。

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