「聖書において、神はファラオに、虐げられた民を乳と蜜の流れる地へ行かせるならば自由を与えると申し出た。しかしファラオはそれに背き、滅ぼされた」

- 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 黒人解放運動家、公民権活動家
英文
”In the Bible, God offered the Pharaoh freedom if he would just let the oppressed people free to go to the land of milk and honey. But the Pharaoh disobeyed, and he was destroyed.”
日本語訳
「聖書において、神はファラオに、虐げられた民を乳と蜜の流れる地へ行かせるならば自由を与えると申し出た。しかしファラオはそれに背き、滅ぼされた」
解説
この言葉は、マルコム・Xが聖書の物語を比喩として用いた発言である。彼は古代エジプトにおける出エジプト記の物語を引用し、黒人解放運動をイスラエルの民の解放と重ね合わせた。ここでの主張は明確であり、抑圧者が自由を拒み続ければ、最終的に神の裁きや破滅を免れないという警告である。
背景には、公民権運動のさなかで黒人が依然として制度的差別に苦しんでいた現実がある。マルコム・Xは、白人社会に対して譲歩を求めるのではなく、むしろ神の正義や歴史の必然を持ち出し、抑圧の継続は自らの破滅を招くと強調した。この聖書的言語は黒人教会文化に根ざした聴衆に強く訴えかける効果を持っていた。
現代においても、この言葉は社会的不正義に対する警鐘として有効である。権力者が弱者を解放せずに支配を続ければ、最終的に抵抗や変革の波に押し流される。例えば植民地主義の崩壊や独裁政権の転覆はその歴史的例である。マルコム・Xの比喩は、自由の抑圧が長期的には権力者自身の滅亡につながるという普遍的な真理を語っている。
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