「キジを撃つためのライフルクラブが合法であるならば、幼い黒人の子どもにけしかけられるオオカミや犬を撃つためのクラブも同様に合法であるべきだ。実際、それは合憲である。憲法第二条は、すべての市民にライフルやショットガンを所有する権利を保障している」

- 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 黒人解放運動家、公民権活動家
英文
”If it’s lawful to have a rifle club to kill pheasants, it should be just as lawful to have one to kill wolves or dogs that are being sicked on little black babies. In fact, it’s constitutional. Article Number Two of the constitution guarantees the right of every citizen to own a rifle or a shot gun.”
日本語訳
「キジを撃つためのライフルクラブが合法であるならば、幼い黒人の子どもにけしかけられるオオカミや犬を撃つためのクラブも同様に合法であるべきだ。実際、それは合憲である。憲法第二条は、すべての市民にライフルやショットガンを所有する権利を保障している」
解説
この言葉は、マルコム・Xが黒人の武装と自己防衛の正当性を訴えた発言である。彼は狩猟目的の銃所持が認められているのに、黒人が自己防衛のために武装することが問題視されるのは矛盾だと指摘した。特に警察や白人暴徒による暴力から黒人の子どもを守る権利は、憲法で保障された当然の権利だと主張したのである。
背景には、1960年代のアメリカ南部を中心とした深刻な人種暴力がある。黒人家庭は襲撃や脅迫の対象となり、国家権力も十分に保護を与えなかった。そのためマルコム・Xは、非暴力ではなく正当防衛と武装自衛を現実的な手段として訴えた。この発言は、当時の公民権運動の主流であったキング牧師の非暴力主義との大きな対照を成している。
現代においても、この言葉は銃規制や自己防衛の議論と結びつく。マルコム・Xの主張は、単に銃を推奨するものではなく、国家が市民を守らないとき、市民が自らの権利を行使して生存を守る正当性を訴えるものとして理解される。彼の言葉は、法と正義が一致しないときの抵抗の根拠を突きつけている。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?