「私は人類の兄弟愛を信じている、すべての人々に対してだ。だが私と兄弟愛を持つことを望まない者との間に兄弟愛があるとは信じない。私は人々を正しく扱うことを信じているが、その扱いに応える術を知らない者に正しく接しようとして時間を浪費するつもりはない」

マルコム・X(画像はイメージです)
マルコム・X(画像はイメージです)
  • 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 黒人解放運動家、公民権活動家

英文

”I believe in the brotherhood of man, all men, but I don’t believe in brotherhood with anybody who doesn’t want brotherhood with me. I believe in treating people right, but I’m not going to waste my time trying to treat somebody right who doesn’t know how to return the treatment.”

日本語訳

「私は人類の兄弟愛を信じている、すべての人々に対してだ。だが私と兄弟愛を持つことを望まない者との間に兄弟愛があるとは信じない。私は人々を正しく扱うことを信じているが、その扱いに応える術を知らない者に正しく接しようとして時間を浪費するつもりはない」

解説

この言葉は、マルコム・Xの条件付き普遍主義を表している。彼は人類全体の兄弟愛を理想として掲げつつも、それは一方的に与えられるものではなく、相互性があってこそ成立すると強調している。つまり、兄弟愛や正しい扱いは、相手にも同じ姿勢がなければ無意味だと考えたのである。

この発想は、公民権運動の中での黒人と白人の関係を反映している。多くの黒人は平等と尊重を求めていたが、白人社会の一部は依然として差別を続けていた。マルコム・Xは、そうした不誠実な相手に対しては無条件の善意を差し出すべきではなく、真の平等を望む相手との協力こそが重要だと説いた。

現代社会でもこの言葉は示唆的である。例えば、人権や多文化共生の取り組みにおいても、相互的な尊重がなければ関係は持続しない。マルコム・Xの言葉は、理想と現実をつなぐためには相互の誠意と責任が必要であるという現実的な洞察を突きつけている。

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