「パレスチナ人は、明日が今日よりも悪くなると確信している世界で唯一の民族である。明日は常により悪い状況を告げる」

- 1941年3月13日~2008年8月9日(67歳没)
- パレスチナ出身
- 詩人、作家、政治活動家
英文
”The Palestinians are the only nation in the world that feels with certainty that today is better than what the days ahead will hold. Tomorrow always heralds a worse situation.”
日本語訳
「パレスチナ人は、明日が今日よりも悪くなると確信している世界で唯一の民族である。明日は常により悪い状況を告げる」
解説
この言葉は、パレスチナ人が未来に対して希望よりも不安と絶望を抱かざるを得ない現実を鋭く表現している。日常生活が占領、戦争、亡命の脅威にさらされるなかで、人々は「明日はもっと悪い」という感覚を共有するようになったのである。この悲痛な言葉は、民族の長期的な苦難と喪失感を象徴している。
時代背景として、マフムード・ダルウィーシュは1948年のイスラエル建国に伴う故郷喪失(ナクバ)の世代であり、その後も中東戦争や難民問題が続いた。彼の詩は、その体験に根ざした喪失感と未来への不信を繰り返し描き出している。ここで語られる「唯一の民族」という表現は誇張を含みつつも、パレスチナ問題の特殊性と長期性を強調するものである。
現代においても、この言葉は普遍的な問いを投げかける。絶望的な未来を前提とする状況は、パレスチナだけでなく、紛争や難民危機に直面する多くの人々に共通している。したがって、この名言は単なる嘆きではなく、平和の緊急性と人間としての尊厳を守る必要性を訴えるものであり、国際社会に対して未来を変える責任を突きつけているのである。
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