「私はもちろんイスラエルを愛してはいない。そうする理由はない。しかし私はユダヤ人を憎んではいない」

マフムード・ダルウィーシュ(画像はイメージです)
マフムード・ダルウィーシュ(画像はイメージです)
  • 1941年3月13日~2008年8月9日(67歳没)
  • パレスチナ出身
  • 詩人、作家、政治活動家

英文

”I am not a lover of Israel, of course. I have no reason to be. But I don’t hate Jews.”

日本語訳

「私はもちろんイスラエルを愛してはいない。そうする理由はない。しかし私はユダヤ人を憎んではいない」

解説

この言葉は、政治的立場と民族や宗教に対する感情を切り分ける姿勢を示している。マフムード・ダルウィーシュはパレスチナの詩人として、イスラエルによる占領と故郷喪失の現実を強く批判した。しかしその一方で、敵対する国家を拒絶することと、その国家に属する民族や宗教共同体全体を憎悪することは別であると明確にしている。

この発言の背景には、長年にわたるアラブ・イスラエル紛争がある。ダルウィーシュは亡命生活の中でパレスチナ民族の声を代弁しつつも、ユダヤ人個人への憎悪ではなく、占領や抑圧という政治的現実への抵抗を語り続けた。彼の立場は、紛争が人間対人間の敵意ではなく、国家と政策の問題であることを浮き彫りにするものである。

現代においても、この言葉は重要な意味を持つ。対立や戦争の中でしばしば「敵」と「民族」や「宗教」が混同され、偏見や差別が生じる。しかしこの名言は、個人と共同体を分けて考える必要性を強調し、平和の基盤は相互の人間的尊重にあることを示しているのである。

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