「亡命とは地理的な概念以上のものである。人は故郷にいても、自分の家にいても、一つの部屋の中にいても亡命者になり得る」

マフムード・ダルウィーシュ(画像はイメージです)
マフムード・ダルウィーシュ(画像はイメージです)
  • 1941年3月13日~2008年8月9日(67歳没)
  • パレスチナ出身
  • 詩人、作家、政治活動家

英文

”Exile is more than a geographical concept. You can be an exile in your homeland, in your own house, in a room.”

日本語訳

「亡命とは地理的な概念以上のものである。人は故郷にいても、自分の家にいても、一つの部屋の中にいても亡命者になり得る」

解説

この言葉は、亡命とは単に国境を越えて故郷を離れることではなく、精神的・存在的な疎外感を意味することを示している。人は外的な場所に縛られなくとも、理解されない孤独や抑圧、居場所の喪失を感じれば、自らの内側で亡命状態に陥るのである。

マフムード・ダルウィーシュ自身は、故郷パレスチナを追われ亡命生活を余儀なくされた経験を持つ詩人であった。しかし彼の言葉は、単なる政治的状況を超えた普遍性を持っている。「故郷にいながら亡命者である」という逆説的表現は、占領下にある人々や社会的に抑圧された個人の実存的状態を描き出している。

現代においても、この言葉は広く適用できる。たとえば家庭や職場に居ながら孤独や疎外を感じる人々、またSNS時代において他者と繋がっていながら居場所を失ったと感じる人々にとっても共鳴する表現である。したがって、この名言は亡命を精神の孤立や断絶として再定義し、人間の普遍的な孤独とアイデンティティの問題を照らし出すものである。

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