「西洋文明についてどう思うか? それはとても良い“考え”だと思うよ」

マハトマ・ガンディーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
マハトマ・ガンディーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1869年10月2日~1948年1月30日
  • イギリス領インド帝国出身
  • 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者

英文

“What do I think of Western civilization? I think it would be a very good idea.”

日本語訳

「西洋文明についてどう思うか? それはとても良い“考え”だと思うよ」

解説

この名言は、ガンディー特有の皮肉とユーモアを交えた鋭い文明批評である。表面的には肯定しているように見えるが、「とても良い“考え”だと思う(a very good idea)」という表現には、「現実にはまだ実現されていない」という批判的な含意が込められている。つまり、彼は西洋文明が掲げる理想――自由、平等、人権、理性――が、実際には植民地主義や物質主義によって裏切られていると指摘しているのである。

この発言は、イギリスの植民地支配に苦しむインドの現実を背景に発せられたものと考えられる。ガンディーは、本来は普遍的であるはずの「文明」の理念が、権力と搾取の手段に変質していることに強い違和感を抱いていた。彼にとって文明とは、他者を支配するのではなく、道徳性と節度、共生と平和を育むものであるべきであり、その意味で「西洋文明」はまだ“理念にとどまっている”という含意がある。

現代においても、この名言は理想と現実の乖離に対する批判として有効である。例えば、自由や人権を掲げる国々が、実際には格差や差別、戦争に関与しているという状況において、ガンディーのこの皮肉は倫理と実践の一致という根本問題を突いている。彼の言葉は、文明を名乗るためにはまず行動が伴わなければならないという、普遍的な真理を鋭く突きつけている。

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