「喜びなくして行われる奉仕は、奉仕する者にも、される者にも何の助けにもならない。しかし、喜びの精神で行われる奉仕の前では、他のあらゆる快楽や財産は無に等しい」

- 1869年10月2日~1948年1月30日
- イギリス領インド帝国出身
- 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者
英文
“Service which is rendered without joy helps neither the servant nor the served. But all other pleasures and possessions pale into nothingness before service which is rendered in a spirit of joy.”
日本語訳
「喜びなくして行われる奉仕は、奉仕する者にも、される者にも何の助けにもならない。しかし、喜びの精神で行われる奉仕の前では、他のあらゆる快楽や財産は無に等しい」
解説
この名言は、ガンディーが重んじた奉仕の精神的価値とその実践の質に対する深い洞察を示している。彼は、奉仕が単なる義務感や犠牲の感情から行われるとき、そこには真の意味での人間的な交流や癒しの力が欠けると考えていた。奉仕が本当に力を持つのは、それが喜びに満ちた自発的な心から湧き出るときであり、そのような行為は奉仕する者自身の魂をも豊かにし、受ける者にも本質的な力を与える。
ガンディーの人生は、この原理の体現そのものであった。彼は貧者や病人に接するときにも、慈悲と共感、そして喜びをもって接することを忘れなかった。それは彼にとって、他者の苦しみを軽減することが単なる義務ではなく、人間としての本質的な喜びに通じる道だったからである。ここでは、物質的な報酬や快楽よりも、心からの奉仕が人間にとって最大の幸福であるという倫理が語られている。
現代社会では、仕事や奉仕活動が「疲弊」や「やらされ感」によって形骸化することも少なくない。しかしこの名言は、内発的な喜びに根ざした奉仕が、人間の尊厳や共同体の絆を深める最も本質的な行為であることを思い出させてくれる。ガンディーのこの言葉は、奉仕の形だけでなく「心のあり方」こそが真の価値を生むという普遍的な真理を教えている。
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