「宗教とは心の問題である。いかなる肉体的な不便も、自らの宗教を捨てる正当な理由にはなり得ない」

• 1869年10月2日～1948年1月30日
• イギリス領インド帝国出身
• 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者

英文

”Religion is a matter of the heart. No physical inconvenience can warrant abandonment of one’s own religion.”

日本語訳

「宗教とは心の問題である。いかなる肉体的な不便も、自らの宗教を捨てる正当な理由にはなり得ない」

解説

この言葉は、宗教の本質が内面的な信念や精神の拠り所にあることを示している。宗教は外的な制度や儀式ではなく、個人の心の深層に根ざすものであり、単なる社会的所属や形式に留まらぬものであるとする見解である。「肉体的な不便」とは、例えば迫害、差別、物理的な制限といった困難を意味するが、そうした苦境であっても内なる信仰を放棄してはならないという強い意志が込められている。

この思想は、イギリス植民地下でのインドにおけるガンディーの非暴力運動の文脈と深く結びつく。彼はヒンドゥー教徒としての信仰を貫きつつ、ムスリムやキリスト教徒とも連帯し、宗教的寛容を説いた。その中で、信仰は外圧によって屈するものではなく、むしろ内面の強さとして耐え抜くべきものであるという立場を貫いたのである。

現代においてもこの名言は、宗教的マイノリティや信仰を理由に苦しむ人々にとって力強い支えとなり得る。たとえば、難民として信仰を守り続ける人々、あるいは職場や社会で信仰表明を困難とする人々にとって、「心における信仰の自由は誰にも奪えない」というメッセージは今もなお有効である。

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