「パレスチナがアラブ人のものであるのは、イングランドがイングランド人のものであり、フランスがフランス人のものであるのと同じ意味においてである」

- 1869年10月2日~1948年1月30日
- イギリス領インド帝国出身
- 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者
英文
“Palestine belongs to the Arabs in the same sense that England belongs to the English or France to the French.”
日本語訳
「パレスチナがアラブ人のものであるのは、イングランドがイングランド人のものであり、フランスがフランス人のものであるのと同じ意味においてである」
解説
この名言は、ガンディーの民族自決と植民地主義への一貫した反対姿勢を明確に示している。彼は、いかなる国であれ、その土地に長く住んできた民族がその地の正当な主であるという立場を取り、他民族による一方的な占有や支配に対して倫理的疑問を呈した。ここでの「同じ意味において」という表現は、ヨーロッパ諸国が自国を自民族のものであるとする主張と同等に、アラブ人にもパレスチナの領有権があるという対等な視点を強調している。
この発言は、1930年代のパレスチナ情勢――特にシオニズム運動によるユダヤ人の移住とそれに伴う緊張の高まりを背景にしている。ガンディーはユダヤ人の苦難に同情を示しながらも、新たな苦難を他者に強いる形での解決には反対した。彼の非暴力と調和を重んじる姿勢は、いかなる民族も他民族の排除によって救済されるべきではないという普遍的倫理に根ざしていた。
現代においてこの言葉は、土地とアイデンティティ、歴史的居住権と現代の国際政治との衝突をめぐる議論の中で引用され続けている。ガンディーの発言は、単なる支持・反対の立場を超えて、すべての民族に対する公平と尊厳の原則を訴えるものであり、今日の中東問題を考えるうえでも重要な倫理的視座を提供している。
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