「自分の友に親しみを持つのはたやすい。しかし、自分を敵と見なす者と友になることこそが、真の宗教の真髄である。それ以外は単なる取引にすぎない」

- 1869年10月2日~1948年1月30日
- イギリス領インド帝国出身
- 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者
英文
“It is easy enough to be friendly to one’s friends. But to befriend the one who regards himself as your enemy is the quintessence of true religion. The other is mere business.”
日本語訳
「自分の友に親しみを持つのはたやすい。しかし、自分を敵と見なす者と友になることこそが、真の宗教の真髄である。それ以外は単なる取引にすぎない」
解説
この名言は、ガンディーの宗教観と道徳観の核心を鋭く示す言葉である。彼は、宗教とは単なる信仰の表明や儀式の遂行ではなく、敵意や対立を超えて他者を受け入れ、和解を実現する行為にこそその本質があると考えていた。つまり、愛や親切が「容易な相手」に向けられるだけであれば、それは信仰ではなく利害によるものに過ぎないという批判が込められている。
この思想は、ガンディーの非暴力主義(アヒンサー)と完全に一致している。彼は、敵をも尊重し、その良心に訴えることで和解を目指した。自らを攻撃する相手に対しても、怒りではなく、理解と対話をもって接することが「真の宗教の実践」であり、それが社会変革と魂の救済の両方に通じると信じていた。宗教は境界線をつくるものではなく、超えるものだという倫理がここに凝縮されている。
現代においても、この名言は宗教や理念が対立や分断の口実として利用されることへの強い警鐘となる。信仰が本物であるためには、敵対する者、異なる者への寛容と共感を伴っていなければならない。ガンディーのこの言葉は、宗教の本質とは愛の普遍性であり、それが試されるのは「最も愛し難い相手」に対してであるという、時代を超えた倫理的真理を語っている。
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