「怒りを完全に心から追い払うことは難しいということは、私もわかっている。それは純粋に自分自身の努力だけで達成できるものではなく、神の恵みによってのみ可能である」
- 1869年10月2日～1948年1月30日
- イギリス領インド帝国出身
- 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者
英文
“I know, to banish anger altogether from one’s breast is a difficult task. It cannot be achieved through pure personal effort. It can be done only by God’s grace.”
日本語訳
「怒りを完全に心から追い払うことは難しいということは、私もわかっている。それは純粋に自分自身の努力だけで達成できるものではなく、神の恵みによってのみ可能である」
解説
この言葉は、人間の感情の中でも制御が難しい「怒り」に対するガンディーの姿勢を示している。彼は、怒りを根絶することの困難さを認めつつ、それを個人の努力だけで成し遂げようとすることには限界があると述べている。この視点は、彼の宗教的かつ精神的な価値観に根ざしており、自己修養と神の助けの両方を必要とするという謙虚な認識に基づくものである。
ガンディーは生涯を通じて非暴力と自己規律を重んじたが、それでも怒りという感情が生まれるのは自然なことであると理解していた。そのため、精神的成長とは「感情を否定すること」ではなく、「感情に支配されない力を養うこと」であるという教えを体現していた。この名言は、そのような内面的闘いの中での誠実な省察といえる。
現代社会においても、ストレスや対立が絶えない中で、怒りを抑えることは多くの人にとっての課題である。ガンディーの言葉は、怒りを否定せず、むしろそれと向き合いながら乗り越えるには、他者や信仰の力も必要であるという教訓を与える。心理学やマインドフルネスの実践においても、感情を受け入れたうえで対処する姿勢が重視されており、本名言はその先駆的な洞察といえる。
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