「私は、避け方を学ぶ前に、できる限りの悪を行うのか。悪を避けるには、それを知っているだけでは不十分なのか。そうであるならば、私たちは悪を手放せないほど愛していると正直に認めるべきだ」

- 1869年10月2日~1948年1月30日
- イギリス領インド帝国出身
- 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者
英文
”I do all the evil I can before I learn to shun it? Is it not enough to know the evil to shun it? If not, we should be sincere enough to admit that we love evil too well to give it up.”
日本語訳
「私は、避け方を学ぶ前に、できる限りの悪を行うのか。悪を避けるには、それを知っているだけでは不十分なのか。そうであるならば、私たちは悪を手放せないほど愛していると正直に認めるべきだ」
解説
この名言は、人間が悪を知っていながらもなぜそれを繰り返すのかという倫理的矛盾に対する痛烈な問いかけである。単に「悪を知ること」がそれを回避することにつながらないのであれば、知識よりも誠実な内省と意思の力が必要であるという警告が込められている。「悪を愛している」という表現には、欲望や快楽に対する人間の弱さを見据えた冷徹な洞察がある。
ガンディーは生涯にわたって非暴力と自己浄化を説いたが、その根底には人間の中にある悪と欲望を率直に認め、それを克服する努力を怠らないという倫理観が存在していた。この言葉は、そうした彼の内面の厳しさを反映しており、偽善や自己欺瞞に対して誠実であるべきだという精神の表明といえる。
現代においてもこの名言は、環境破壊や社会的不正に対する無関心、あるいは依存症や差別など、悪と知りながら続けてしまう個人や社会の行為を鋭く照らし出す。真に善を志すならば、自らの欲望や快楽に対する誠実な認識と、その克服への意志が必要であるという倫理的メッセージがここにある。
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