「私は、人間の心や社会が社会的・政治的・宗教的といった水も漏らさぬ密閉区分に分かれているとは思わない。これらはすべて相互に作用し合っているのだ」

- 1869年10月2日~1948年1月30日
- イギリス領インド帝国出身
- 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者
英文
”I claim that human mind or human society is not divided into watertight compartments called social, political and religious. All act and react upon one another.”
日本語訳
「私は、人間の心や社会が社会的・政治的・宗教的といった水も漏らさぬ密閉区分に分かれているとは思わない。これらはすべて相互に作用し合っているのだ」
解説
この名言は、人間の思考や社会の構造は、単一の領域に限定されず、複数の側面が密接に絡み合っているというガンディーの総合的な人間理解を示している。社会的、政治的、宗教的という分類は便宜的なものであって、実際にはこれらは分離不可能であり、互いに影響を与え合いながら人間の行動や社会の方向性を形作っているとする視点である。
ガンディー自身が、宗教的信念に基づいて社会改革や政治運動を展開したことがその実例である。彼にとって宗教とは私的な儀式にとどまらず、政治的正義や社会的平等の基盤となる生き方の原理でもあった。そのため、信仰と行動、個人と社会、倫理と制度の間には明確な線引きは存在し得ないという実践哲学がこの言葉に込められている。
現代においてもこの言葉は、政策決定における宗教的価値観の影響、社会運動における倫理的正義の訴求など、複雑に絡み合う現実に対する洞察として有効である。人間を理解し、社会を変えるためには、分断ではなく統合的な視点が必要であるというこの名言は、分野横断的な思考と対話の重要性を説いている。
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