「肉欲にとらわれた者は、道を失っている」

- 1869年10月2日~1948年1月30日
- イギリス領インド帝国出身
- 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者
英文
”He is lost who is possessed by carnal desire.”
日本語訳
「肉欲にとらわれた者は、道を失っている」
解説
この名言は、肉体的欲望に支配された人間は、道徳的・精神的な方向性を見失っているというガンディーの厳しい倫理観を表している。ここでの「lost(失われた)」という語は、単なる迷子ではなく、人間としての本質や使命を見失った状態を意味しており、ガンディーにとって肉欲とは魂の力を曇らせ、自己支配を崩す根源的な危険であるとされていた。
彼は1906年に禁欲(ブラフマチャリヤ)の誓いを立て、性的節制を人間の精神的成長と社会的秩序の柱と見なした。その理由は、性欲が他者を支配や対象化する傾向を生み、人間関係を欲望に歪めてしまうと考えていたからである。つまり、肉欲に支配されることは単なる個人の問題ではなく、人間性の堕落と社会的腐敗に直結すると見なされていた。
現代においてこの名言は、物質主義や快楽主義が強調される社会への警告として読み直すことができる。欲望そのものは否定されるべきではないが、それに「とらわれる」ことが倫理的判断力と人間性を損なうという教えは、今なお深い意味を持っている。ガンディーのこの言葉は、自由と尊厳は自己制御の上にこそ築かれるという厳粛な真理を語っている。
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