「資本それ自体が悪なのではない。悪いのはその誤った使い方である。資本は、何らかの形で常に必要とされるものだ」

マハトマ・ガンディーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
マハトマ・ガンディーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1869年10月2日~1948年1月30日
  • イギリス領インド帝国出身
  • 弁護士、宗教家、社会活動家、政治指導者

英文

“Capital as such is not evil; it is its wrong use that is evil. Capital in some form or other will always be needed.”

日本語訳

「資本それ自体が悪なのではない。悪いのはその誤った使い方である。資本は、何らかの形で常に必要とされるものだ」

解説

この名言は、ガンディーが経済や資本に対して現実的かつ倫理的な視点を持っていたことを明示している。彼は、資本や財産の存在そのものを否定するのではなく、それが利己的・搾取的に用いられるときにこそ問題が生じると考えていた。つまり、資本は使い方次第で善にも悪にもなる中立的な力であり、その倫理的管理が問われるという立場をとっている。

この考え方は、ガンディーの提唱した「信託財産論(トラスティーシップ)」に通じている。彼は、資本家や富裕層が自らの資産を社会のために託された信託物として用いるべきだという思想を掲げ、富は個人のための道具ではなく、社会全体の幸福に貢献すべきものであると説いた。したがって、彼にとって資本は敵ではなく、道徳的責任と結びつくべき道具であった。

現代においてもこの名言は、資本主義の過剰と倫理的空洞化に対する重要な問いかけとなる。ガンディーのこの言葉は、問題は資本の存在そのものではなく、それを誰のために、どう使うかという選択にあるという、経済と倫理の交差点に立つ普遍的な真理を静かに、しかし明確に語っている。

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