「数学において無限に小さい量とは何かと問う人々に、我々はそれは実際には零であると答える。したがってこの概念には、一般に信じられているほど多くの神秘は隠されていない」

レオンハルト・オイラー(画像はイメージです)
レオンハルト・オイラー(画像はイメージです)
  • 1707年4月15日~1783年9月18日(76歳没)
  • スイス出身
  • 数学者、物理学者、天文学者、力学研究者

英文

”To those who ask what the infinitely small quantity in mathematics is, we answer that it is actually zero. Hence there are not so many mysteries hidden in this concept as they are usually believed to be.”

日本語訳

「数学において無限に小さい量とは何かと問う人々に、我々はそれは実際には零であると答える。したがってこの概念には、一般に信じられているほど多くの神秘は隠されていない」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉は、無限小の概念についての誤解を解くものである。オイラーの時代には、無限小が実在するかどうか、あるいはどのように扱うべきかという議論が盛んであった。ニュートンやライプニッツの微積分法が確立した直後であり、その基盤となる数学的対象の正確な理解はまだ曖昧であった。オイラーは、無限小を神秘的なものとしてではなく、数学的には零と同一視できるものと説明したのである。

この発言の背景には、18世紀における解析学の発展がある。無限小をめぐる不安や直観的な混乱は、学者たちにとって実際的な問題であった。オイラーは明快な視点を提示し、無限小を神秘化するのではなく、計算と理論の道具として理解させようとしたのである。これは彼の数学における実用的かつ直観的なアプローチを示す一例である。

現代においてもこの考え方は有効である。たとえば、極限の概念を学ぶ学生が「限りなく小さいものは存在するのか」と戸惑うとき、オイラーの言葉は助けとなる。無限小は物理的に存在するのではなく、数学的な操作における零の延長として理解されるべきなのである。この視点は、抽象的な理論を実際の問題解決に役立てる姿勢を養う手掛かりとなる。

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