「宇宙の構造は最も完全であり、最も賢明な創造者の作品であるゆえに、宇宙においては最大または最小の法則が現れない事象は一切存在しない」

レオンハルト・オイラー(画像はイメージです)
レオンハルト・オイラー(画像はイメージです)
  • 1707年4月15日~1783年9月18日(76歳没)
  • スイス出身
  • 数学者、物理学者、天文学者、力学研究者

英文

”For since the fabric of the universe is most perfect and the work of a most wise Creator, nothing at all takes place in the universe in which some rule of maximum or minimum does not appear.”

日本語訳

「宇宙の構造は最も完全であり、最も賢明な創造者の作品であるゆえに、宇宙においては最大または最小の法則が現れない事象は一切存在しない」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉は、変分原理や最適化の法則に関わる思想を表している。オイラーは自然界を数学的秩序に基づくものとみなし、現象が偶然ではなく最大値や最小値の原理によって説明できると考えた。これは後にラグランジュやハミルトンが展開した変分法の基盤であり、古典力学から現代物理学に至るまで強い影響を与えている。

この思想の背景には、18世紀啓蒙期の自然観がある。自然は理性によって理解可能であり、神の叡智の反映として合理的構造を備えていると信じられていた。オイラーにとって宇宙は混沌ではなく、数学的規則に従う調和の体系であった。そのため、物体の運動や光の進み方などあらゆる現象に「最小作用」や「最短経路」といった原理を見出そうとしたのである。

現代においてもこの視点は有効である。例えば、光が直線ではなく屈折を通じて最短時間の経路をとるフェルマーの原理や、量子力学における経路積分法はこの思想の延長線上にある。オイラーの発言は、自然界を単なる観察対象ではなく、最適化の数学的原理で貫かれた体系として理解する重要性を示しているのである。

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