「権威に訴えて議論をする者は、自らの知性を使っているのではなく、単に記憶を使っているに過ぎない」
- 1452年4月15日~1519年5月2日
- イタリア出身
- 万能人(画家、彫刻家、建築家、発明家、科学者など)
- 絵画「モナ・リザ」や「最後の晩餐」をはじめとする芸術作品の制作、さらに「飛行機の設計図」や「解剖学の研究」などの科学や工学における先駆的なアイデアも多く残した
英文
“Anyone who conducts an argument by appealing to authority is not using his intelligence; he is just using his memory.”
日本語訳
「権威に訴えて議論をする者は、自らの知性を使っているのではなく、単に記憶を使っているに過ぎない」
解説
ダ・ヴィンチは、観察と実験を重視し、権威や伝統に頼らず、自らの知識や洞察を深めることを信念としていた。「権威に訴える」という行為は、他者の言葉や知識に依存して、自分自身の思考や分析を怠ることを意味している。このような議論では、ただ過去の情報を反復するだけであり、新たな洞察や革新的なアイデアは生まれにくい。
彼が「自らの知性を使っていない」と述べているのは、真の知性が他者の知識をそのまま受け入れることではなく、それを深く考察し、自分なりに発展させることにあるという考えに基づいている。議論や思考において、重要なのは独自の視点や批判的な分析であり、権威者の言葉を鵜呑みにすることは、知性の本来の使い方ではないと彼は考えていた。
「記憶を使っている」という部分は、権威に頼る議論が、単に過去の知識や他者の意見を繰り返すだけであり、自らの創造的な思考が欠如していることを示している。ダ・ヴィンチは、知識を受け入れるだけでなく、それを疑い、深く考え、自らの結論を導き出すことが重要であると考えていた。
この名言は、現代においても有用な教訓を提供している。情報が溢れる現代社会では、権威ある専門家や著名人の意見を無条件に信じることが一般的である。しかし、ダ・ヴィンチは、どれほど権威ある人物の言葉であっても、それを鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えることが必要であると強調している。独自の思考を持ち、批判的な視点を持つことが、真の知性を発揮する方法であるという彼のメッセージは、現代の知識社会においても重要である。
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