「民が飢えるのは、支配者が税を取りすぎるからである」

老子の名言・格言・警句(画像はイメージです)
老子の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 紀元前571年?~紀元前470年?
  • 中国出身
  • 哲学者

英文

“The people are hungry: It is because those in authority eat up too much in taxes.”

日本語訳

「民が飢えるのは、支配者が税を取りすぎるからである」

解説

この言葉は、老子の思想の中でも政治的な批判性が強く表れた一節であり、為政者の貪欲と民の困窮との因果関係を鋭く指摘している。老子は、統治者が贅沢を追い求め、重税を課すことによって、本来豊かであるはずの民の生活が苦しくなるという現実を見抜いていた。これは、民の苦しみは自然の摂理ではなく、人為的な欲望によって生じるという洞察に基づく。

老子の政治思想では、「無為而治」すなわち干渉せず自然に任せる統治こそが理想であり、支配者は目立たず、民の暮らしを乱さず、控えめな態度で在るべきとされた。重税や強制は、自然の「道」に反するものであり、やがて反発や崩壊を招くことになる。したがって、支配層が自らを律し、節度を守ることが国家の安定に直結するという教訓がこの言葉に込められている。

現代においても、過度な課税や不公平な分配は社会不安の原因となり得る。老子のこの言葉は、支配とは抑圧や収奪ではなく、民の自然な営みを支えることに本質があるという普遍的な原理を語っており、今日の政治や経済においても深く考えるべき警句である。

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