「この世において、水ほど従順で柔弱なものはない。だが、堅く強いものを打ち破る力において、水に勝るものはない」

- 紀元前571年?~紀元前470年?
- 中国出身
- 哲学者
英文
“In the world there is nothing more submissive and weak than water. Yet for attacking that which is hard and strong nothing can surpass it.”
日本語訳
「この世において、水ほど従順で柔弱なものはない。だが、堅く強いものを打ち破る力において、水に勝るものはない」
解説
この言葉は、老子が説く柔弱の力と逆説的な強さの本質を、象徴的に示している。水は形を持たず、どんな容器にも順応し、力を誇示することなく流れる存在である。しかし、その柔らかさとしなやかさこそが、岩や鉄のような堅固なものをも時間と共に侵食し、変化させる力となる。
老子にとって、「柔は剛に勝つ」は単なる自然の観察ではなく、人間の在り方や統治の根本原理でもある。権力や強制による支配よりも、謙虚さ・忍耐・譲り合いによる統治こそが、持続的で深い変化を生むと説いた。水のように控えめであっても、最終的には世界を動かす力となるのである。
現代においても、この教えは多くの領域に応用可能である。対人関係、リーダーシップ、国際関係などにおいて、柔軟で譲る力を持つ者こそが、結果として大きな影響力を持つ。老子のこの言葉は、強さとは目に見える威圧ではなく、変化を生む静かな持続の力にあるという普遍の真理を、静かにそして確かに語っている。
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