「支配階級の思想は、あらゆる時代において支配的な思想である。つまり、社会の物質的な支配力を持つ階級は、同時に知的な支配力も持つのである」

カール・マルクス
カール・マルクスの名言
  • 1818年5月5日~1883年3月14日
  • プロイセン王国(ドイツ)出身
  • 哲学者、経済学者、政治思想家
  • 資本論を著し、社会主義・共産主義思想の基礎を築いた

英文

“The ideas of the ruling class are in every epoch the ruling ideas, i.e., the class which is the ruling material force of society, is at the same time its ruling intellectual force.”

日本語訳

「支配階級の思想は、あらゆる時代において支配的な思想である。つまり、社会の物質的な支配力を持つ階級は、同時に知的な支配力も持つのである」

解説

この言葉は、カール・マルクスが支配階級の思想と権力の関係について述べたものであり、社会において支配階級の思想がその時代の支配的な価値観や信念となることを指摘している。マルクスは、物質的な力(経済力)を持つ階級が、その地位に基づいて社会の知的な面でも優位に立ち、思想や文化、価値観を支配し形作ると考えた。したがって、支配階級の利益や視点が社会全体に広がり、一般的な価値観として受け入れられる構造が生まれるとされる。

現代の視点では、メディアや教育、文化といった分野における支配的な価値観や思想が、社会的・経済的な支配力を持つ階級によって形成されているという見解に通じる。たとえば、経済的に強い企業やエリート層がメディアや教育の内容に影響を与えることで、資本主義的な価値観や消費主義が広まりやすくなる。マルクスの視点からは、こうした状況は、労働者階級や一般市民が自らの意識を形作る際に支配階級の思想が刷り込まれる危険性を示している。

具体例として、大企業がスポンサーとなり、メディアや広告を通じて消費主義や資本主義の価値観を浸透させるケースが挙げられる。このように、社会の支配的な思想や価値観は、物質的な力を持つ階級によって構築され、結果として支配階級の利益に適うものとなりやすい。マルクスのこの言葉は、社会的・経済的な力が思想を通じて社会全体に影響を与えるメカニズムを示しており、階級による思想支配の問題を考える上で重要な視点を提供している。

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