「もし資本がソビエト共和国の打倒に成功すれば、資本主義国や植民地において最も暗黒な反動の時代が到来し、労働者階級と被抑圧民族は喉元を締め上げられ、国際共産主義の拠点は失われるだろう」

- 1878年12月18日~1953年3月5日
- グルジア(ジョージア)出身
- ソ連共産党書記長(最高指導者)、ソ連邦大元帥
英文
“What would happen if capital succeeded in smashing the Republic of Soviets? There would set in an era of the blackest reaction in all the capitalist and colonial countries, the working class and the oppressed peoples would be seized by the throat, the positions of international communism would be lost.”
日本語訳
「もし資本がソビエト共和国の打倒に成功すれば、資本主義国や植民地において最も暗黒な反動の時代が到来し、労働者階級と被抑圧民族は喉元を締め上げられ、国際共産主義の拠点は失われるだろう」
解説
この言葉は、ソビエト体制の防衛を国際的革命運動の中核と位置づける思想を示している。スターリンはここで、資本主義勢力がソビエト連邦を打ち倒すことに成功すれば、世界的な反革命の嵐が巻き起こり、労働者や植民地の民衆は再び徹底的な抑圧のもとに置かれると警告している。つまり、ソビエト連邦の存続は全世界の被抑圧層の希望であり、砦であるという主張である。
このような考え方は、1920年代末から1930年代初頭にかけてスターリンが強調した「一国社会主義」路線と両立する国家中心的マルクス主義に基づいている。国際共産主義の命運がソ連の運命にかかっているという構図を描き、それによって国内における引き締めや対外的警戒心を正当化していた。反革命=資本主義の逆襲=世界の抑圧強化という図式が、ここには明確に現れている。
現代の視点から見ると、この発言は革命体制の防衛を絶対化し、外敵の存在を強調することによって内部統制を強化する典型的なレトリックとも受け取れる。とはいえ、実際に多くの植民地や被抑圧民族にとって、ソビエト連邦の存在が西側帝国主義への対抗軸となっていたこともまた歴史的事実であり、この発言には一定の現実認識が含まれていたと言える。
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