「真の勇気とは、自らを律し克服する強さを持ち、自らの意志を集団の意志、すなわち党の上級機関の意志に従属させることである」

ヨシフ・スターリンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヨシフ・スターリンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1878年12月18日~1953年3月5日
  • グルジア(ジョージア)出身
  • ソ連共産党書記長(最高指導者)、ソ連邦大元帥

英文

“True courage consists in being strong enough to master and overcome oneself and subordinate one’s will to the will of the collective, the will of the higher party body.”

日本語訳

「真の勇気とは、自らを律し克服する強さを持ち、自らの意志を集団の意志、すなわち党の上級機関の意志に従属させることである」

解説

この言葉は、個人の意志よりも集団、特に党の意志を優先することが真の勇気であるというスターリン的価値観を表現している。ここでの「勇気」は、戦場や困難への挑戦という通常の意味合いではなく、自己の内なる欲望や独断を抑え、組織的規律に従う精神的強さとして定義されている。

この思想は、スターリン体制下における党への絶対的忠誠と個人主義の否定を正当化する論理でもある。特に1930年代の粛清期においては、「党の意志に逆らうこと」は裏切りとみなされ、反党分子として処罰の対象となった。このような文脈で、真の勇気とは批判や反抗ではなく、従順と自己抑制であると定義されるのである。

今日の視点から見れば、この考えは集団主義の美徳を説くと同時に、権威への服従を美化する危険性もはらんでいる。組織の一員として協調しながらも、良心や倫理に基づく個人の判断を保持する自由とのバランスが重要であることを、この言葉の批判的検討を通じて改めて認識することができる。

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