「ソビエト愛国主義の強さは、それが人種的または国家主義的偏見に基づくのではなく、人民のソビエト祖国への深い忠誠と献身、そして我が国のすべての民族の労働者たちによる兄弟的な協力に根ざしているという点にある」

ヨシフ・スターリンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヨシフ・スターリンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1878年12月18日~1953年3月5日
  • グルジア(ジョージア)出身
  • ソ連共産党書記長(最高指導者)、ソ連邦大元帥

英文

“The strength of Soviet patriotism lies in the fact that it is based not on racial or nationalistic prejudices, but on the peoples’ profound loyalty and devotion to their Soviet Motherland, on the fraternal partnership of the working people of all the nationalities in our country.”

日本語訳

「ソビエト愛国主義の強さは、それが人種的または国家主義的偏見に基づくのではなく、人民のソビエト祖国への深い忠誠と献身、そして我が国のすべての民族の労働者たちによる兄弟的な協力に根ざしているという点にある」

解説

この言葉は、民族や人種に依存しない、社会主義的愛国心の正当性と統合力を主張するものである。スターリンはここで、ソビエト連邦が多民族国家であることを前提としつつ、その統一の根拠を「階級的連帯」と「祖国への忠誠」に置いている。この思想は、排外的な民族主義とは一線を画し、国家の強さは人民の協力と共通の理想に支えられるという社会主義的価値観を反映している。

この発言は、特に第二次世界大戦中の「大祖国戦争」期において、ソ連各地の民族が団結してナチス・ドイツに立ち向かう必要性を訴える文脈で発せられたと考えられる。スターリン体制下であっても、少数民族や地方の労働者を動員し、民族間の団結を掲げて国家防衛と再建を正当化する言説が重視された。

現代においてもこの言葉は、多様性を内包した国家における統一の理念や、排外主義に対抗する公共精神の表明として読みうる。ただし、スターリン時代には実際には民族抑圧や強制移住政策も同時に進行していたため、この発言は理想と現実の乖離を伴った政治的スローガンとしても理解される必要がある。

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