「シオニズムとの闘争は反ユダヤ主義とは何の関係もない。シオニズムは、ユダヤ人であろうとなかろうと、世界中の労働者の敵である」

- 1878年12月18日~1953年3月5日
- グルジア(ジョージア)出身
- ソ連共産党書記長(最高指導者)、ソ連邦大元帥
英文
“The fight against Zionism has nothing in common with anti-Semitism. Zionism is an enemy of workers around the world, both of those who are Jewish and those who are not.”
日本語訳
「シオニズムとの闘争は反ユダヤ主義とは何の関係もない。シオニズムは、ユダヤ人であろうとなかろうと、世界中の労働者の敵である」
解説
この言葉は、シオニズム批判を反ユダヤ主義とは明確に区別するという政治的立場の表明である。スターリンはここで、ユダヤ人全体を対象とする宗教的・民族的差別(反ユダヤ主義)を否定しつつ、シオニズムを「労働者階級の敵」として攻撃することで、イデオロギー闘争の枠組みへと位置づけている。
スターリン体制下のソ連では、1940年代末から1950年代初頭にかけて、「反シオニズム」政策が強化され、ユダヤ人知識人や団体への弾圧が展開された。その中でこのような発言は、共産主義運動における国際主義の立場から、民族的アイデンティティよりも階級闘争を優先すべきだとする思想的根拠として用いられた。特にイスラエル建国後、ソ連はシオニズムを「帝国主義の手先」として批判するようになる。
現代においても、シオニズム批判と反ユダヤ主義との線引きは国際的に極めて敏感な問題であり、このスターリンの発言はその典型例として引用される。この言葉は、思想的・政治的対立の名のもとに差別や迫害が正当化されうる構造の危険性を示しており、理念と現実の境界を見極めるための警句ともなっている。
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