「同志諸君、人民が経済の労働者指導者に寄せる信頼というものは、実に偉大なものである。指導者は入れ替わるが、人民は残る。不滅なのは人民だけであり、それ以外はすべて移ろいゆくものだ。だからこそ、人民の信頼の価値を十分に理解することが必要なのである」

- 1878年12月18日~1953年3月5日
- グルジア(ジョージア)出身
- ソ連共産党書記長(最高指導者)、ソ連邦大元帥
英文
“The confidence of the people in the worker-directors of the economy is a great thing, Comrades. The leaders come and go, but the people remain. Only the people are immortal, everything else is ephemeral. That is why it is necessary to appreciate the full value of the confidence of the people.”
日本語訳
「同志諸君、人民が経済の労働者指導者に寄せる信頼というものは、実に偉大なものである。指導者は入れ替わるが、人民は残る。不滅なのは人民だけであり、それ以外はすべて移ろいゆくものだ。だからこそ、人民の信頼の価値を十分に理解することが必要なのである」
解説
この言葉は、政治的・歴史的主体としての人民の永続性と重要性を強調するものである。スターリンはここで、指導者の地位や役職が一時的なものであるのに対し、人民こそが国家や社会の本質的・永続的な存在であると説いている。そして、経済を担う労働者指導者(worker-directors)への人民の信頼は、国家運営にとって何よりも価値のある資産であると強調している。
この発言は、形式的には人民中心主義の姿勢を示しており、支配者が人民から遊離したときの危うさを警告しているように見える。しかし実際のスターリン体制においては、「人民の声」や「信頼」は国家によって規定され、しばしば粛清や独裁の正当化に利用された。それゆえこの言葉は、理想と現実との乖離を象徴するものでもある。
とはいえ、この発言は今日においても、政治的リーダーが民衆の信頼を一時的な人気と混同せず、真に尊重しなければならないという原則を教えてくれる。組織や体制は変わっても、社会を支えるのは常に「人民」そのものであるという視点は、民主主義においても独裁においても避けがたく根源的な真理である。
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