「人類は、富める者と貧しき者、財産を持つ者と搾取される者に分かれている。この根本的な分裂、そして富者と貧者の対立から目を背けることは、現実の根本的事実から目を背けることを意味する」

- 1878年12月18日~1953年3月5日
- グルジア(ジョージア)出身
- ソ連共産党書記長(最高指導者)、ソ連邦大元帥
英文
“Mankind is divided into rich and poor, into property owners and exploited; and to abstract oneself from this fundamental division, and from the antagonism between poor and rich, means abstracting oneself from fundamental facts.”
日本語訳
「人類は、富める者と貧しき者、財産を持つ者と搾取される者に分かれている。この根本的な分裂、そして富者と貧者の対立から目を背けることは、現実の根本的事実から目を背けることを意味する」
解説
この言葉は、階級対立こそが社会の根本構造であり、これを無視することは歴史と現実を誤って捉えることになるというマルクス主義的立場を強く表明している。スターリンは、人類の分裂が単なる偶発的な不平等ではなく、制度的・構造的なものであるとし、貧富の対立を「本質的事実」として直視することの必要性を訴えている。
この発言は、特に階級闘争を歴史の原動力とする唯物史観に基づいており、スターリン体制下の政策――たとえば富農(クラーク)層の排除や、社会主義的再分配の正当化――に理論的な裏付けを与えるものであった。階級対立を「見て見ぬふりする」態度こそが、社会の進歩を妨げると位置づけている点に注目すべきである。
現代社会においても、経済格差や機会の不平等が拡大する中で、このような発言は依然として鋭い問いを投げかける。特に、貧困や搾取の構造に関心を持たず、中立や調和を装う姿勢が、むしろ支配的秩序の維持に加担している可能性を指摘する上で、この言葉は示唆に富んでいる。
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