「ヤーコフという名の息子は、私にはいない」

- 1878年12月18日~1953年3月5日
- グルジア(ジョージア)出身
- ソ連共産党書記長(最高指導者)、ソ連邦大元帥
英文
“I have no son named Yakov.”
日本語訳
「ヤーコフという名の息子は、私にはいない」
解説
この言葉は、第二次世界大戦中に捕虜となったスターリンの長男ヤーコフ・ジュガシヴィリに関連する逸話として広まっている。特に、ドイツ軍がヤーコフとの捕虜交換を提案した際、スターリンがこのように述べて拒否したとされる。発言の内容は、国家や戦争目的のためには肉親をも顧みない冷酷な指導者像を象徴するものとして、数多くの伝記や記事で引用されてきた。
しかし、この発言には信頼できる一次資料の裏付けがなく、真偽は不明である。ブレンダ・ホーゲンの『Joseph Stalin: Dictator of the Soviet Union』(2006年)など二次資料では引用されるが、明確な出典は示されていない。こうした経緯から、史学的には伝説的逸話(アネクドート)として扱うのが妥当である。
とはいえ、この言葉は史実であるか否かにかかわらず、指導者の非情さ、国家と家族の関係、戦争時の価値観の極端さを考察する材料となる。もし本当に発言されたものであれば、それは国家防衛の絶対優先と私情排除を徹底した姿勢を端的に示すものであり、戦時指導者の倫理観や人間性について議論を呼ぶ発言である。
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