「山羊飼いたちはスペインで最も貧しい人々だった。しかしおそらく、彼らこそが最も豊かだった」

- 1935年5月20日~2025年5月13日
- ウルグアイ出身
- 第40代ウルグアイ大統領、政治家、元ゲリラ闘士
英文
“The goatherds were the poorest people of Spain. Probably, they were the richest.”
日本語訳
「山羊飼いたちはスペインで最も貧しい人々だった。しかしおそらく、彼らこそが最も豊かだった」
解説
この言葉は、ホセ・ムヒカが繰り返し語ってきた「豊かさ」とは何かという根本的な問いを象徴している。彼は、物質的な貧しさの中にあっても、精神的な充足、自然との調和、日々の静けさを持つ者こそが真に豊かなのではないかと考えていた。山羊飼いたちのように、社会的には最下層と見なされる人々が、実は最も自由で人間的な生活を送っていた可能性があるという逆説を語っている。
この名言には、現代の消費主義社会への批判が込められている。大量生産・大量消費の中で、物は増えても心の満足は得られず、逆に自然や人間関係から切り離されてしまう。ムヒカは、そうした「便利で豊かな生活」が必ずしも幸福をもたらすとは限らないという哲学をこの一文に凝縮している。
現代社会では、豊かさがしばしばGDPや所得で測られるが、この言葉はその指標の限界と、内面的・文化的価値の見直しの必要性を問いかけている。たとえば、山間で自給自足に近い暮らしをする人々や、金銭的には乏しくとも共同体との強い絆を持つ人々が感じる充実感や誇りこそが、本当の意味での「豊かさ」なのだという、倫理的かつ詩的なメッセージがここにある。
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