「どんな依存も良いものではない」

- 1935年5月20日~2025年5月13日
- ウルグアイ出身
- 第40代ウルグアイ大統領、政治家、元ゲリラ闘士
英文
“No addiction is good.”
日本語訳
「どんな依存も良いものではない」
解説
この言葉は、ホセ・ムヒカの節度と自由を重んじる人生観を凝縮したものである。彼は、麻薬だけでなく、物質的欲望、権力、金銭、テクノロジーといったあらゆる形の依存を批判してきた。ここでの「依存」とは、自分の意志や判断を奪うものであり、それがどんな対象であれ、人間の尊厳と自由を損なうものであるという立場に立っている。
ムヒカは、かつて自らが極限の環境に置かれた経験を通じて、精神的な自立と自己統制の重要性を学んだ人物である。その経験から、依存とは一見快楽や安心を与えるようでいて、最終的には主体性を失わせるものであると見抜いていた。だからこそ、彼は麻薬の合法化を進めつつも、使用の自由と同時に節制の倫理を強く訴えたのである。
現代においては、スマートフォン、SNS、消費、仕事など、目に見えにくい依存が日常に深く浸透している。この名言は、そうした依存の構造に無自覚であることの危険性を示し、真の自由とは、自らの欲望を制御する力にあることを思い出させてくれる。ムヒカの言葉は、自由と節度のバランスにこそ、人間らしい生き方の核心があるという普遍的な倫理の呼びかけである。
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