「望まれるなら私は叫ぼう――イズムに反対!そして、型にはまらずに思考できる左派に栄光あれ!つまり私は、世界を善と悪で分ける単純化、白黒で考える発想――そうしたものから完全に癒されたのだ。私は悔い改めた!」

- 1935年5月20日~2025年5月13日
- ウルグアイ出身
- 第40代ウルグアイ大統領、政治家、元ゲリラ闘士
英文
“I’ll shout it if they want: Down with isms! Up with a Left that is capable of thinking outside the box! In other words, I am more than completely cured of simplifications, of dividing the world into good and evil, of thinking in black and white. I have repented!”
日本語訳
「望まれるなら私は叫ぼう――イズムに反対!そして、型にはまらずに思考できる左派に栄光あれ!つまり私は、世界を善と悪で分ける単純化、白黒で考える発想――そうしたものから完全に癒されたのだ。私は悔い改めた!」
解説
この言葉は、ホセ・ムヒカが硬直したイデオロギーの否定と、柔軟で思考する左派への希求を表した極めて象徴的な発言である。彼はかつて極左武装勢力に身を置いた人物であったが、その経験を経たうえで、政治思想の「イズム(主義)」が人間の複雑な現実を単純化しすぎることの危険性に気づいたのである。この「悔い改めた」という言葉には、思想の硬直ではなく、自己反省と進化を重視する政治姿勢がにじみ出ている。
ムヒカは、世界を善悪や敵味方の二元論で見ることを否定し、より複雑で多様な現実に対応できる知性と柔軟性を重んじる。この姿勢は、現代の政治においても重要な視点であり、イデオロギー的忠誠がしばしば現実的課題解決の障害になることを鋭く突いている。彼が求める「型にはまらない左派」とは、既成概念を超えて新しい発想で未来を構築する力を持つ運動である。
この名言は、今日の極端な分断やレッテル貼りが支配する政治的風潮に対し、思考の自由と複雑性の尊重を回復するための力強い宣言である。「イズムに反対」という叫びは、政治や思想の枠に縛られず、人間の現実と向き合い続ける知的誠実さの表明であり、まさにムヒカの人生と哲学を凝縮した言葉なのである。
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