「もし天が富を価値あるものと見なしていたならば、それをこのようなろくでなしに与えることはなかっただろう」

ジョナサン・スウィフト(画像はイメージです)
ジョナサン・スウィフト(画像はイメージです)
  • 1667年11月30日~1745年10月19日(77歳没)
  • アイルランド出身
  • 作家、風刺家、聖職者

英文

”If Heaven had looked upon riches to be a valuable thing, it would not have given them to such a scoundrel.”

日本語訳

「もし天が富を価値あるものと見なしていたならば、それをこのようなろくでなしに与えることはなかっただろう」

解説

この言葉は、富と道徳の関係についての辛辣な皮肉である。スウィフトは、富がしばしば不道徳な者や卑劣な者の手に渡る現実を指摘し、そこから逆説的に「富は本来それほど価値あるものではない」と結論づけている。つまり、道徳的高潔さと財産の多寡は必ずしも一致しないという批判である。

18世紀のイギリス社会は、商業的成功や植民地経済によって急速に富が集中した時代であった。しかし、その過程で腐敗や不正も横行した。スウィフトは聖職者でありながら社会批評家でもあり、富を成功や価値の絶対的基準とする風潮への風刺としてこの言葉を残したと考えられる。

現代においても、この指摘は共感を呼ぶ。経済的成功を収めた人々の中に必ずしも尊敬できる人物ばかりがいるわけではない。スウィフトの言葉は、富の価値を絶対視することへの警鐘であり、道徳的な品位や人間性こそが真に価値あるものだという普遍的な教訓を伝えている。

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