「彼はバイオリン弾きであり、したがってならず者であった」

ジョナサン・スウィフト(画像はイメージです)
ジョナサン・スウィフト(画像はイメージです)
  • 1667年11月30日~1745年10月19日(77歳没)
  • アイルランド出身
  • 作家、風刺家、聖職者

英文

”He was a fiddler, and consequently a rogue.”

日本語訳

「彼はバイオリン弾きであり、したがってならず者であった」

解説

この言葉は、スウィフト特有の辛辣で風刺的なユーモアを示している。単に「音楽家=ならず者」と断じるのは論理的には飛躍だが、そこに社会的な偏見や皮肉を込めている。音楽家、特に街頭の演奏者や流浪の芸人は、18世紀の社会では必ずしも高い地位に置かれておらず、放浪的・享楽的な生活と結びつけられがちであった。

当時のイギリスにおいて、バイオリン弾きは下層階級や大道芸人の象徴でもあり、安定した職業と見なされなかった。スウィフトはその社会的イメージを逆手に取り、職業と人格を直結させる風刺的な断定を行っている。これは特定の人物批判であると同時に、社会の偏見そのものを笑いの対象にしていると解釈できる。

現代においては、この言葉は文字通りに受け取るよりも、根拠のない偏見やレッテル貼りを風刺する表現として読むのが適切である。職業や肩書きだけで人を判断することの愚かさを示す警句として理解すれば、スウィフトの意図する皮肉がより鮮明に見えてくる。

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