「理性に照らせば、被治者の同意なきすべての政府は、奴隷制のまさに定義である」

- 1667年11月30日~1745年10月19日(77歳没)
- アイルランド出身
- 作家、風刺家、聖職者
英文
”For in reason, all government without the consent of the governed is the very definition of slavery.”
日本語訳
「理性に照らせば、被治者の同意なきすべての政府は、奴隷制のまさに定義である」
解説
この言葉は、政治権力の正当性についての明確な主張である。スウィフトは、政府が人民の同意を欠いたまま存在するならば、それは支配ではなく隷属に等しいと述べている。ここで重要なのは、統治の正統性を「同意」に基づいて判断している点であり、近代的な民主主義思想に通じる視点が示されている。
18世紀は啓蒙思想の時代であり、ジョン・ロックなどの社会契約論が大きな影響を与えていた。スウィフトもまたその潮流の中で、人民の同意なき権力は正義に反するという理性主義的な立場を取っている。この言葉は、専制政治や圧政を批判する文脈で発せられたと理解できる。
現代においても、この警句は普遍的な力を持つ。民主主義国家においては、選挙や代表制を通じて統治の同意が確認される。しかし独裁や権威主義体制においては、依然として人民の同意なき支配が行われている。スウィフトの言葉は、統治の正当性は被治者の同意にこそあるという原則を再確認させるものである。
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