「安い席の皆さん、拍手をお願いします。そして残りの皆さんは、宝石を鳴らしていただけますか」

- 1940年10月9日~1980年12月8日
- イギリス出身
- ミュージシャン、作詞作曲家、平和活動家
- ロックバンド「ザ・ビートルズ」の創設メンバーとして世界的な名声を得た。解散後もソロアーティストとして活動し、『Imagine』などの楽曲で反戦と平和を訴えた。音楽と社会運動の両面で20世紀の文化に大きな影響を与えた。
英文
“Will the people in the cheaper seats clap your hands? And the rest of you, if you’ll just rattle your jewelry.”
日本語訳
「安い席の皆さん、拍手をお願いします。そして残りの皆さんは、宝石を鳴らしていただけますか」
解説
この言葉は、1963年に行われたロイヤル・バラエティ・パフォーマンスで、ジョン・レノンが英国王室を前にして発したユーモアと皮肉を込めた一言である。当時ビートルズは急速に国民的な人気を得ていたが、この発言は、階級社会における風刺と、民衆との連帯を示す巧妙なジェスチャーとして注目を集めた。
イギリス社会には根強い階級意識が存在し、ロイヤル・バラエティの観客席も、安価な一般席と、貴族や上流階級が座る高価な席とに分かれていた。レノンは「拍手」と「宝石を鳴らす」という対比を用いて、上流階級の形式的な礼儀と、庶民の率直な反応とのギャップをウィットに富んだ形で皮肉った。これは、彼が労働者階級の出身であることを隠さず、王族を前にしても臆さない姿勢の現れでもあった。
この発言は、今日においても権威への風刺とユーモアの力を象徴するものとして語り継がれている。ユーモアによって社会的メッセージを伝えるという手法は、現代の政治風刺や風刺芸術にも通じる。尊敬と批判、皮肉と敬意が絶妙に交錯したこの一言は、ジョン・レノンの知性と反骨精神、そして聴衆との距離感を測る巧妙な感覚をよく表している。
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