「君が知ることのできることで、すでに知られていないものなど何もない」

- 1940年10月9日~1980年12月8日
- イギリス出身
- ミュージシャン、作詞作曲家、平和活動家
- ロックバンド「ザ・ビートルズ」の創設メンバーとして世界的な名声を得た。解散後もソロアーティストとして活動し、『Imagine』などの楽曲で反戦と平和を訴えた。音楽と社会運動の両面で20世紀の文化に大きな影響を与えた。
英文
“There’s nothing you can know that isn’t known.”
日本語訳
「君が知ることのできることで、すでに知られていないものなど何もない」
解説
この言葉は、1967年のビートルズの楽曲「All You Need Is Love」の一節であり、知識と真理の普遍性についての哲学的な含意を持つ。ジョン・レノンはここで、人間が知り得ることは、すでにこの世界に存在し、共有可能なものに過ぎないという考えを示している。それは、特別な知識や隠された真理が重要なのではなく、誰もが触れ得る単純な真実こそ大切であるという姿勢と結びついている。
この言葉は、1960年代に広まったヒューマニズムや反権威主義的な思想とも共鳴している。当時、多くの若者が体制や学校教育、宗教の権威から距離を取り、個々人の感性や体験を通じた「気づき」や「理解」を重視するようになった。レノンのこの一節は、そうした流れの中で知識を神秘化せず、むしろ誰もが平等に得られるものととらえる思想を象徴している。
現代でもこの言葉は、情報があふれる時代における「知」の価値の再確認」という意味で意義深い。あらゆる知識が検索可能になった今日においても、重要なのは何を知るかではなく、それをどう受け取り、どう生かすかであるという視点が求められている。真理は遠くにあるのではなく、目の前にあるものの中にある。この言葉は、その静かな確信を私たちに伝えている。
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