「誰も根本的な問いをしない。なぜ人はあらゆる種類の薬物を使うのか?なぜ私たちは普通の生活を送るために、それに付け加える“道具”が必要なのか?つまり、私たちが身を守らずには生きていけないほど、社会そのものに何か問題があるんじゃないか?」

ジョン・レノンの名言
ジョン・レノンの名言
  • 1940年10月9日~1980年12月8日
  • イギリス出身
  • ミュージシャン、作詞作曲家、平和活動家
  • ロックバンド「ザ・ビートルズ」の創設メンバーとして世界的な名声を得た。解散後もソロアーティストとして活動し、『Imagine』などの楽曲で反戦と平和を訴えた。音楽と社会運動の両面で20世紀の文化に大きな影響を与えた。

英文

“The basic thing nobody asks is why do people take drugs of any sort? Why do we have these accessories to normal living to live? I mean, is there something wrong with society that’s making us so pressurized, that we cannot live without guarding ourselves against it?”

日本語訳

「誰も根本的な問いをしない。なぜ人はあらゆる種類の薬物を使うのか?なぜ私たちは普通の生活を送るために、それに付け加える“道具”が必要なのか?つまり、私たちが身を守らずには生きていけないほど、社会そのものに何か問題があるんじゃないか?」

解説

この言葉は、ジョン・レノンが薬物使用という個人の行為の背後にある社会構造の歪みを鋭く問いかけたものである。彼は、薬物に手を出す人を一方的に非難するのではなく、なぜ人が“正常な生活”を送るために何かに頼らなければならないのか、その根本原因を問う視点を提示している。ここには、外的な抑圧や精神的ストレスから身を守るために人が取る行動への深い理解がある。

この発言は、1960年代から70年代にかけての薬物文化と反体制的な精神運動の中で、レノン自身が体験し、また目にしてきた現実を背景にしている。彼は、社会があまりにもプレッシャーに満ち、競争的で、型にはめられたものであるため、人々が「外からの刺激」や「逃避手段」に救いを求めるのは当然の帰結ではないかと指摘している。

この問題提起は、現代社会においても極めて有効である。精神薬、アルコール、過剰なデジタル依存など、現代人が「何かにすがらなければ生きられない状況」がより深刻になっている。レノンのこの言葉は、個人を責めるのではなく、そうさせてしまう社会そのものの在り方にこそ目を向けるべきだという、構造的かつ人間的な洞察を私たちに示している。本当に治すべきなのは、依存する人間ではなく、依存を生み出す社会の側なのだ

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