「所有は法律の九割ではない。それは問題の九割だ」

- 1940年10月9日~1980年12月8日
- イギリス出身
- ミュージシャン、作詞作曲家、平和活動家
- ロックバンド「ザ・ビートルズ」の創設メンバーとして世界的な名声を得た。解散後もソロアーティストとして活動し、『Imagine』などの楽曲で反戦と平和を訴えた。音楽と社会運動の両面で20世紀の文化に大きな影響を与えた。
英文
“Possession isn’t nine-tenths of the law. It’s nine-tenths of the problem.”
日本語訳
「所有は法律の九割ではない。それは問題の九割だ」
解説
この言葉は、一般に言われる「所有は法の九割(possession is nine-tenths of the law)」という格言を逆転させた皮肉的表現である。ジョン・レノンはここで、物を所有することが法律的な権利の根拠ではなく、むしろ社会や人間関係における多くの問題の原因になっていると指摘している。所有に執着することが争いや分断を生むという視点が、この言葉には込められている。
この発言は、レノンが1970年代に唱えた非物質主義的思想や反消費主義的な価値観と深く関係している。彼はしばしば、戦争や社会的不平等の根源として「所有」や「国家」「宗教」といった概念を挙げていた。とりわけ『Imagine』に代表されるような思想において、人間が真に自由で平和に生きるためには、物への執着から解放されなければならないと主張していた。
この言葉は、現代においても資本主義の矛盾や格差問題、環境問題などを考える上で有効である。所有権の争いが国際問題にまで発展する時代において、「本当に必要なものは何か」「分かち合うことの価値」を見直すきっかけとなる。レノンのこの一言は、物に縛られない生き方への問いかけであり、平和や調和は「所有」ではなく「共有」から生まれるという逆説的な真理を突いている。
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