「社会における僕の役割、あるいはすべての芸術家や詩人の役割は、僕たちみんなが感じていることを表現しようとすることだ。人にどう感じるべきかを教えることではない。説教者でも、指導者でもなく、僕たちすべての写し鏡としてあるべきなんだ」

ジョン・レノンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ジョン・レノンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1940年10月9日~1980年12月8日
  • イギリス出身
  • ミュージシャン、作詞作曲家、平和活動家

英文

“My role in society, or any artist’s or poet’s role, is to try and express what we all feel. Not to tell people how to feel. Not as a preacher, not as a leader, but as a reflection of us all.”

日本語訳

「社会における僕の役割、あるいはすべての芸術家や詩人の役割は、僕たちみんなが感じていることを表現しようとすることだ。人にどう感じるべきかを教えることではない。説教者でも、指導者でもなく、僕たちすべての写し鏡としてあるべきなんだ」

解説

この言葉は、ジョン・レノンが芸術家の立場とその責任を非常に謙虚かつ本質的に捉えていたことを示している。彼は、芸術家や詩人は民衆の感情や思考を代弁する存在であり、決して他者に価値観を押しつけるような指導者や教祖的存在であってはならないという姿勢を明確にしている。芸術とは命令ではなく、共鳴を生むための「共感のかたち」であるべきだという思想が表れている。

これは、ビートルズ解散後にレノンが見せた個人としての表現の深化とも重なる。彼は『Working Class Hero』や『God』などの楽曲で、自らの信念や葛藤を率直に語る一方で、聞き手に判断を委ねる姿勢を貫いていた。「自分は導くのではなく映し出す存在だ」という立場は、芸術の民主性と誠実さを象徴するものである。

この言葉は現代においても、アーティストや表現者、あるいは情報発信者の在り方を考える上で大きな意味を持つ。影響力を持つ立場にある者ほど、自らの意見を絶対化せず、共感と観察をもって他者を映し出す視点が求められる。レノンのこの発言は、芸術の力とは指導ではなく共感であるという普遍的な真理を、静かにしかし力強く語っている。

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