「私は神を信じているが、それは一つの存在としてでも、空にいる老人としてでもない。人々が神と呼ぶものは、私たちすべての中にある何かだと信じている。イエスやムハンマド、ブッダ、その他すべての人物が言ったことは正しいと信じている。ただ、翻訳が間違ってしまったのだ」

- 1940年10月9日~1980年12月8日
- イギリス出身
- ミュージシャン、作詞作曲家、平和活動家
- ロックバンド「ザ・ビートルズ」の創設メンバーとして世界的な名声を得た。解散後もソロアーティストとして活動し、『Imagine』などの楽曲で反戦と平和を訴えた。音楽と社会運動の両面で20世紀の文化に大きな影響を与えた。
英文
“I believe in God, but not as one thing, not as an old man in the sky. I believe that what people call God is something in all of us. I believe that what Jesus and Mohammed and Buddha and all the rest said was right. It’s just that the translations have gone wrong.”
日本語訳
「私は神を信じているが、それは一つの存在としてでも、空にいる老人としてでもない。人々が神と呼ぶものは、私たちすべての中にある何かだと信じている。イエスやムハンマド、ブッダ、その他すべての人物が言ったことは正しいと信じている。ただ、翻訳が間違ってしまったのだ」
解説
この発言は宗教の本質とその普遍性について語っているとされる。ジョン・レノンは、特定の神概念を否定するのではなく、むしろ神聖さが人間の内面に宿るものであると主張している点に特徴がある。これはキリスト教、イスラム教、仏教といった伝統宗教の教えを否定するものではなく、その核心的な教訓は共通して正しいとする立場である。
このような思想は、1960年代後半から1970年代にかけてのヒッピー運動や東洋思想への関心の高まりと深く関係している。当時、多くの若者や芸術家が既存の制度的宗教から離れ、個人の内なる精神性や体験に基づく信仰へと移行していた。レノンの言葉もこの時代背景を反映しており、宗教間の対立ではなく、共感と統合の視点から神を捉えている。
現代においてもこの考え方は、宗教的寛容や多文化理解を促進する上で重要な視座を提供する。異なる宗教の教えが本質的には共鳴し合うものであるという視点は、グローバル社会における対話や共存の基盤となり得る。また、「翻訳が間違っている」という表現は、教義の誤解や誤用が対立を生んできた歴史への批判としても読むことができる。
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