「悪を恐れることは、善を望むことよりも人間の行動を強く動かす原動力である」
- 1632年8月29日~1704年10月28日
- イングランド(イギリス)出身
- 哲学者、政治思想家
- 社会契約説や自然権思想を提唱し、イギリス経験論、自由主義の父と呼ばれ、近代民主主義の基礎を築いた
英文
“The dread of evil is a much more forcible principle of human actions than the prospect of good”
日本語訳
「悪を恐れることは、善を望むことよりも人間の行動を強く動かす原動力である」
解説
ジョン・ロックのこの言葉は、人間の行動を動機づける主な要因が「悪への恐れ」であることを指摘している。ロックは、人間は善や利益を得ようとする欲求よりも、苦痛や危険を避けようとする恐怖によって強く動かされると考えている。これは、人間がリスクや損失に対して敏感であるという心理的な性質を示しており、恐れが人間の行動に与える影響の大きさを強調している。
現代の行動経済学や心理学でもこの考え方は支持されており、人間は「損失回避の傾向」を持っているとされる。たとえば、仕事や学業でミスを避けようとする行動、財産や地位を失うリスクを避けるための慎重な判断などが例として挙げられる。損失や失敗を避けたいという恐れは、しばしば前向きな目標の追求よりも強い動機となり、人生のさまざまな選択や行動を支配することがある。
ロックのこの言葉は、私たちに恐れと行動の関係について再考させるものである。恐れが強い原動力となる一方で、その恐れに支配されすぎると、可能性や成長の機会を見逃すリスクもある。恐れと向き合いながら、前向きな目標に向かうバランスを意識することが、充実した人生を送るために重要であると教えてくれる。このように、恐れを適切に理解し制御することで、恐れに囚われず健全な選択ができるようになる。
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