「考えることは知ることより興味深いが、見ることほどではない」

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1749年8月28日~1832年3月22日
  • ドイツ出身
  • 詩人、劇作家、小説家、哲学者、政治家

英文

“Thinking is more interesting than knowing, but less interesting than looking.”

日本語訳

「考えることは知ることより興味深いが、見ることほどではない」

解説

この名言は、「知ること」「考えること」「見ること」という三つの認識の段階を比較し、人間の知的体験と感性の関係性を詩的に表現している。ゲーテは、単なる知識の蓄積よりも思考の過程に豊かさがあるとしつつも、それ以上に「見る」という直接的で感覚的な体験のほうが生き生きとしていて魅力的であると語っている。ここでの「見る」とは、単なる視覚ではなく、世界や現象と直に出会い、観察し、感動することを指す。

ゲーテは自然観察に並々ならぬ関心を持ち、植物学や色彩論などの分野で実際に視覚的・感覚的体験を重視した研究を行った。彼にとって「見ること」は、単なる知覚以上の行為であり、自然と精神が直接接触する最も創造的な瞬間であった。この名言は、理性と感性の関係に対するゲーテ独自の立場を簡潔に表現したものと言える。

現代においても、情報や知識はあふれているが、自らの思考や観察を通して得られる実体験の価値はますます高まっている。この言葉は、知識よりも思索を、思索よりも体験を――という順に、人間が世界とどのように向き合うべきかを問い直すものである。ゲーテは、最も深い理解は見ること、すなわち現実と感覚の直接的な交わりから始まると教えているのである。

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